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福島県のご先祖調べ
令制国の陸奥国の各一部からなります。
明治初年に、中通り中北部と会津地方が岩代国に、中通り南部と浜通り地方が磐城国とに分けられました。
廃藩置県後に若松県・福島県・磐前県が成立しましたが、統廃合の後明治19年に現在の福島県域が定まりました。
戦国期以前の福島県
平安時代末期には平泉の奥州藤原氏の支配を受け、
福島盆地の信夫佐藤氏、中通りの石川氏、浜通りの岩城氏が中心にありました。
源頼朝が奥州征伐により奥州藤原氏を滅ぼすと、頼朝は御家人が福島県域に所領を与えられ勢力を拡大します。
伊達氏・相馬氏・二階堂氏・蘆名氏・畠山氏・結城氏などです。
室町時代には守護に代わって陸奥国の統括する奥州管領が設置され、吉良氏・畠山氏そして斯波氏が就きます。
新たに奥州探題が置かれると、斯波氏族の大崎氏が任命され世襲化します。
戦国時代になると、浜通りの相馬氏・岩城氏、中通りの田村氏と山形県南部にも勢力を拡大した伊達氏、そして会津の蘆名氏が割拠し、
北関東の佐竹氏を加えて領地の争奪戦が繰り広げられます。
では在地領主として勢力を持った氏族をみてみましょう。
浜通りの南部に勢力を張った桓武平氏とされる岩城氏からは、
深沢・千倉・片寄・大森・戸田・田戸・猪狩・大高・富岡・岩崎・三坂・標葉(しめは)・楢葉などの諸氏が起こります。
なかでも岩崎氏は勢力を拡大させ、富田・菅波・長谷・田中・幕内・鯨岡・菊田・酒井・駒木根・上舟尾・下舟尾・東郷・関・中山・住吉・荒川・本郷などの諸氏が分出しています。
また標葉氏は標葉郡に勢力を拡大させています。
浜通り北部の相馬郡では下総千葉氏族の相馬氏が発展し、小高・岡田・飯土江(いいとえ)・狩倉・泉・高平・西ノ内・大悲山・文間・金場などの諸氏が分出しています。
その他には伊賀氏・飯野氏などがあります。
中通りでは、清和源氏の石川氏が白河郡に勢力を伸ばし、沢井・矢沢・小高・坂地・川尻・大寺・赤坂・次鎌(すかま)・牧・高貫・沢田・千石・五大院・大島などの諸氏を分出しています。
また白河郡には下総国結城郡におこる藤原秀郷流の結城氏が進出し、支族に小峰氏があります。
田村郡には坂上田村麻呂の後裔という田村氏がおこり田村郡域を支配し、田母神・常盤・船引・小沼・大倉・御代田・中津川・川曲(かわわ)・矢部・吉成・浅川・安久津・木目沢・大槻・荒和田などの諸氏を分出しています。
岩瀬郡には藤原南家工藤氏流の二階堂(須賀川)氏が入り、北沢・小瀧・稲村・保土原・大立目・須田の諸氏が分れています。
安積郡には藤原南家工藤氏流の伊東氏が入り、その支族に片平・富田・福原・久保田・部屋田・前田沢・阿子島・笹川が出ます。
安達郡には室町幕府三管領の一つ清和源氏足利氏族の畠山(二本松)氏が入り、幕府方の有力氏族として発展します。
支族には本宮・箕輪・遊佐・氏江・新城(にいき)・川崎・大井田などがあります。
信夫郡からは佐藤氏、伊達郡からは東北の戦国大名伊達氏が起こります。
伊達氏は伊達晴宗の代に奥州探題となり居城を出羽国米沢へ移します。
さらに諸大名と縁戚関係を結び影響力を拡大させ、伊達政宗の代に蘆名氏を破り、白河結城・二階堂・石川・岩城氏らを服属させ陸奥南部を制覇します。
しかし豊臣秀吉の小田原攻めに遅参したため、所領を削減されます。
会津からは相模の三浦氏族蘆名氏が勢力を張ります。支族には猪苗代・針生(はりう)・金上・太郎丸などがあります。
その他に長沼氏・山内氏がありました。
福島県の苗字ベスト20位をあげると、以下の通りです。
1佐藤 2鈴木 3渡辺 4斎藤 5遠藤 6菅野 7高橋 8吉田 9渡部 10橋本
11阿部 12伊藤 13小林 14星 15加藤 16五十嵐 17松本 18根本 19佐久間 20佐々木
上位には東日本を代表する名字が並びます。とくに信夫佐藤氏の発祥地であることから佐藤氏は圧倒的に多く、源義経の郎党佐藤継信・忠信兄弟は信夫佐藤氏の出身です。
第二位の鈴木氏と第三位の渡辺氏は中通りと浜通りのいわき市周辺が多い傾向にあります。
■江戸時代の福島県
大藩は会津藩だけで、その他の地域は小規模の藩と幕府領で占められていました。
豊臣秀吉による奥州仕置により会津には蒲生氏郷、そして上杉景勝が入り、中通り以西を領有しました。
しかし「関ヶ原の戦い」によって上杉景勝が会津領を失うと、蒲生氏・加藤氏が入封し、そして保科正之が入封し戊辰戦争まで続く松平氏会津藩が成立します。
白河藩からは「寛政の改革」を主導した松平定信を輩出しています。
藩名 | 城下町 | 主な藩主の変遷 |
会津藩 | 会津若松市 | 松平(保科)氏 |
二本松藩 | 二本松市 | 丹羽氏 |
福島藩 | 福島市 | 板倉氏 |
中村藩 | 相馬市 | 相馬氏 |
三春藩 | 三春町 | 秋田氏 |
守山藩 | 郡山市 | 松平(水戸)氏 |
磐城平藩 | いわき市 | 安藤氏 |
湯長谷藩 | いわき市 | 内藤氏 |
泉藩 | いわき市 | 本多氏 |
白河藩 | 白河市 | 阿部氏 |
棚倉藩 | 棚倉町 | 阿部氏 |
代官・奉行 | 陣屋地 | 管轄地 |
幕府領 小名浜代官所 |
いわき市 | 楢葉郡19村・磐前郡38村 |
幕府領 塙代官所 |
塙町 | 白河郡30村・白川郡36村・石川郡49村・田村郡15村 |
幕府領 桑折代官所 |
桑折町 | 伊達郡62村・信夫郡43村 |
■福島県の家紋
福島県の使用家紋をみてみましょう。
『都道府県別姓氏家紋大事典』によると、福島県の家紋ベスト10は次の通りです。
1位 片喰 2位 木瓜 3位 鷹の羽 4位 藤 5位 柏
6位 梅鉢 7位 五つ瓜 8位 橘 9位 蔦 10位 月星
日本の十大家紋と比べると、桐紋と沢潟紋、茗荷紋がランク外となり、かわりに五つ瓜紋、梅鉢紋、月星紋がランク入りしています。
福島県に月星紋が多いのは相馬氏を始めと桓武平氏千葉氏族が流入したことに関係しているように思います。
戦国期以前の豪族の家紋をみてみると、伊達氏は竹に二羽飛雀紋、田村氏は九曜紋・田村茗荷紋、 石川氏は対い鶴紋、二階堂氏は三つ盛亀甲に花菱紋、葦名氏は三つ引両紋、 猪苗代氏は三つ引両紋、相馬氏は九曜紋・繋ぎ馬紋、信夫佐藤氏は源氏車紋、白河結城氏は巴紋・竹雀三端頭紋です。
■福島県の寺院
福島県の寺院をみてみましょう。
『全国寺院名鑑』(全日本仏教会寺院名鑑刊行会)によると、福島県の宗派別の割合は以下の通りです。
会津 (会津・喜多方) |
中通り (福島・郡山) |
浜通り (相馬・いわき) |
|
天台宗 | 8% | 15% | 6% |
真言宗 | 30% | 24% | 42% |
曹洞宗 | 33% | 35% | 19% |
臨済宗 | 2% | 6% | 7% |
浄土宗 | 16% | 5% | 17% |
浄土真宗 | 8% | 5% | 7% |
日蓮宗 | 1% | 5% | 1% |
その他 | 2% | 5% | 1% |
福島県は歴史が古い真言宗・天台宗寺院、武家社会に浸透した曹洞宗寺院が多くあります。
一方、他地域で多い真宗寺院が少ないことが特徴的です。
■福島県の神社
陸奥国一之宮は宮城県塩竃市の鹽竈神社と福島県東白川郡棚倉町の都々古別(つつこわけ)神社です。
棚倉町の都々古別神社は、主祭神を味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)とし、日本武尊を合祀しています。
社記によると、日本武尊が奥羽にいたり、都々古山(福島県白河市表郷三森の建鉾山)に鉾を立てて味耜高彦根命を地主神として祀ったことが始まりと伝えています。
■福島県の人名録
国立国会図書館のデジタルコレクションにある人名録を一部紹介します。
『日本全国商工人名録[明治25年版]』日本全国商工人名録 明治25年(1892) 職種別と商号
『大日本篤農家名鑑 [第1冊]明治43年5月』大日本篤農家名鑑編纂所 明治43年(1910) 村名
※姓氏の出自や由緒には諸説あります。このサイトではすべてを網羅できておりません。 参考の一つにしてください。
また出自や由緒、来歴についての質問は受けかねます。ご了承ください。