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山形県のご先祖調べ
令制国の出羽国の南部になります。
明治初年に出羽国が羽前国と羽後国の2か国、陸奥国が5か国に分けられ、
山形県は羽前国と羽後国の飽海郡が含まれました。
■戦国期以前の山形県
出羽国は陸奥国同様に守護職は置かれず、探題・管領が守護にかわる権限を持っていました。
さらに地頭職として武藤氏(庄内大泉荘)、大江氏(長井荘・寒河江荘)、里見氏(成生荘)などが入部します。
南北朝期、武藤氏らが北朝足利氏側に立つと、南朝北畠氏が出羽に入り羽黒山修験勢力と結び対抗します。
これに対して北朝側は斯波氏を奥羽探題とし、斯波兼頼が出羽探題として山形に入部します。
南朝方の山形最大勢力は寒河江大江氏でした。正平23年(1367)北朝斯波氏と南朝寒河江大江氏が激突し、斯波氏の勝利しました。
結果、斯波氏は勢力基盤を固め、最上氏を名乗り、各地に一族を配置して最上・村山郡一帯に勢力を拡大させます。
勢力を拡大した伊達氏が置賜地方を制圧すると室町幕府に接近し、その地位と勢力を高めていきます。伊達稙宗の代には異例ながら陸奥国守護に補任されます。
勢いを得た伊達稙宗は主筋の奥州探題大崎氏の内紛に介入し、二男義宣を大崎氏の養子に送り込み、その勢力を拡大させていきます。
しかし専制的な稙宗に反発する家臣は嫡男伊達晴宗を擁立して稙宗の追放を計画し、稙宗・晴宗父子の間で「天文の乱」が勃発しました。
争乱は晴宗方の勝利に終わりましたが、この内戦により伊達家は疲弊し、勢力を減退させることになります。
一方、一族が独立傾向を強めた最上氏は同族間の対立が激化し、伊達氏の介入を受けるまで勢力を失います。
しかし「天文の乱」で伊達氏が勢力を弱体化させると、これに乗じて最上義守は伊達氏から長谷堂城を奪還し、
最上義光の代には幕府に接近し、娘義姫(伊達政宗の母)を伊達輝宗へ嫁がせて政権を安定させ、
天童氏・白鳥氏・寒河江氏を次々滅ぼし最上郡および村山郡を平定します。
伊達氏は伊達政宗の代となり、会津の蘆名氏を滅ぼし、奥州探題大崎氏を屈服させて伊達氏の領土は最大となります。
天正18年(1590)豊臣秀吉の小田原征伐に、最上氏は参陣し本領24万石の安堵を受けます。
伊達氏も小田原に参陣し、会津領を没収されましたが本領72万石を安堵されました。
では在地領主として勢力を持った氏族を郡別にみてみましょう。
置賜郡からは長井荘を領した大江氏流長井氏新田氏、安倍氏流の黒沢氏、藤原北家山蔭流の鮎貝氏が出て、鮎貝氏の支族には今城・戸田などの諸氏があります。
村上郡からは寒河江荘を領した大江氏流寒河江氏が出て、岩田・溝延・左沢の諸氏を分出しています。
その他、藤原北家魚名流の大曾根氏が出ています。
最上郡からは清和源氏斯波氏族の最上氏が出て、勢力を拡大させます。分出した一族は以下の通りです。
天童・黒川・高櫤(たかだま)・蟹沢・泉出・東根・鷹巣・中野・大窪・楯岡・成沢・杉山・谷地・清水・上山・大山・小国。
その他、佐々木氏族の鮭延氏と日野氏、東海林氏、小田島氏、成生氏があります。
田川郡からは藤原秀郷流武藤氏族の大宝寺氏が出ます。おなじ武藤氏族に東禅寺氏、砂越氏があります。
その他、田川氏、本留守氏(丸岡氏)、新留守氏があります。
山形県の苗字ベスト20位は以下の通りです。
1佐藤 2高橋 3鈴木 4斎藤 5伊藤 6阿部 7後藤 8加藤 9渡辺 10五十嵐
11遠藤 12渡部 13菅原 14武田 15奥山 16小林 17本間 18井上 19松田 20山口
東日本を代表する苗字が上位を占める典型的な東日本パターンです。
第1位佐藤氏と第4位斎藤氏はは県北西部に多く、第2位高橋氏と第3位鈴木氏・第5位伊藤氏は県北西部と県南東部が多い傾向にあります。 第20位山口氏は県南部に多くあります。
山形県の苗字の特徴として「藤」が付く苗字が上位に来ています。 また第10位五十嵐氏と第15位奥山氏はは新潟県発祥の苗字、新潟からの移入が考えられます。
■江戸時代の山形県
戦国大名最上氏が改易となると、山形藩に譜代鳥居氏が入り、庄内藩に譜代酒井氏が入ります。 米沢には蒲生氏に代わって越後上杉氏が入ることになります。山形県は小藩が多く、20万石に及ぶ幕府領がありました。
廃藩置県時に山形県に存在した藩と幕府領は以下の通りです。
藩名 | 城下町 | 主な藩主の変遷 |
山形藩 | 山形市 | 鳥居氏ほか多数 |
庄内藩 | 鶴岡市 | 酒井氏 |
新庄藩 | 新庄市 | 戸沢氏 |
上山藩 | 上山市 | 松平(藤井)氏 |
米沢藩 | 米沢市 | 上杉氏 |
天童藩 | 天童市 | 織田氏 |
長瀞藩 | 東根市 | 米津氏 |
松山藩 | 酒田市 | 酒井氏 |
代官・奉行 | 陣屋地 | 管轄地 |
幕府領 長岡代官所 |
寒河江市 | 村山郡113村 |
■山形県の家紋
山形県の使用家紋をみてみましょう。
『都道府県別姓氏家紋大事典』によると、山形県の家紋ベスト10は次の通りです。
1位 片喰 2位 柏 3位 鷹の羽 4位 梅鉢 5位 藤
6位 木瓜 7位 目結 8位 橘 9位 蔦 10位 桐
日本の十大家紋と比べると、沢潟紋、茗荷紋がランク外となり、かわりに目結紋、梅鉢紋がランク入りしています。
戦国期以前の豪族の家紋をみてみると、最上氏・天童氏・白鳥氏は二つ引両紋、寒河江氏は一文字に三つ星紋です。
■山形県の寺院
山形県の寺院をみてみましょう。
『全国寺院名鑑』(全日本仏教会寺院名鑑刊行会)によると、山形県の宗派別の割合は以下の通りです。
県全体 | |
天台宗 | 7% |
真言宗 | 15% |
曹洞宗 | 50% |
臨済宗 | 1%以下 |
浄土宗 | 8% |
浄土真宗 | 12% |
日蓮宗 | 3% |
その他 | 4% |
秋田県と同様は曹洞宗寺院が半数をこえる禅宗王国です。
一方、他地域で多い真言宗や真宗寺院が少ないことが特徴的です。
■山形県の神社
出羽国一之宮は山形県遊佐町の鳥海山大物忌神社(ちょうかいさんおおものいみ)です。
主祭神は大物忌大神。鳥海山を神体山とします。
創祀は欽明天皇25年と伝えられ、活火山の鳥海山が噴火などの異変が起こると朝廷から奉幣があり鎮祭が行われました。 本社は山頂に鎮座し、麓の吹浦と蕨岡に「口の宮」と呼ばれる里宮が鎮座しています。
■山形県の人名録
国立国会図書館のデジタルコレクションにある人名録を一部紹介します。
『日本全国商工人名録[明治25年版]』日本全国商工人名録 明治25年(1892) 職種別と商号
『大日本篤農家名鑑 [第1冊] 明治43年5月』大日本篤農家名鑑編纂所 明治43年(1910) 村名
『山形市商工人名録』山形商工会議所 昭和12年(1937) 職種別と所在地
※姓氏の出自や由緒には諸説あります。このサイトではすべてを網羅できておりません。 参考の一つにしてください。
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