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北海道のご先祖調べ

北海道の住民は「蝦夷(えぞ)」と呼ばれ、北海道の地は「蝦夷が千島」「蝦夷地(えぞち)」などと呼ばれていました。

中世期の北海道
 鎌倉幕府は蝦夷沙汰代官職に、陸奥出羽国北部の豪族安藤氏(安東氏)を任じ、安藤氏は配下の武将を道南十二館に配置し、蝦夷を統括しました。
道南十二館は渡島半島南端の海岸線沿いに、東は函館市から西は上ノ国町に配置され、アイヌ民族や和人商人との交易や領域支配の重要拠点となりました。
 長禄元年(1457)東部の首領コシャマインに率いられたアイヌが一斉に蜂起します。(「コシャマインの戦い」) この戦いで十二館のうち十館が落城しましたが、翌長禄2年武田信広(上之国の蠣崎季繁の女婿)が鎮圧します。武田信広は若狭武田氏の一族といわれています。
 武田信広はこの戦功により蝦夷地における地位を確かなものにし、続く蠣崎(かきざき)光広義広季広の代に道南地方の支配権を確立しました。 しかしこの頃の蠣崎氏は安東氏の支配下にすぎませんでした。
 天正18年(1590)豊臣秀吉の奥州仕置に蠣崎慶広は主家安東氏に帯同しますが、秀吉との謁見が許され、安東氏からの独立した大名として認められることになります。 その後、全蝦夷地(樺太、北海道)の支配権を確立し、徳川時代を迎えることになります。

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江戸時代の北海道
 慶長3年(1598)豊臣秀吉が死去すると徳川家康と通じ、「蝦夷地図」を献上し家康への臣従の意を示しています。 また家康の旧姓「松平」と前田利家の「前」をとって松前氏に改めています。
 家康は松前氏のアイヌ交易の独占権を認め、大名格とみなされた松前慶広は松前藩の初代藩主とされています。

 松前藩は渡島半島の南部を和人地、それ以外を蝦夷地として、 蝦夷地と和人地の間の通交を制限し、アイヌ民族との交易を松前藩が独占する経済政策をとりました。
また松前藩独特の家臣知行形態である場所請負制により、請負商人(近江商人など)や出稼ぎ漁業民が渡島半島の海岸の集落へ居住するようになります。 中心都市は松前藩城下町の松前、鰊漁吉の江差、幕府蝦夷地経営拠点の箱館でした。
 この頃の移住者は、鰊漁などの活況にともない定住した出稼漁民飢饉を逃れた東北人がいました。

 安政元年(1854)日米和親条約の締結により箱館が開港されると、北方警備に重要性から重要拠点を幕府領とし、蝦夷地を奥羽の諸藩に分担警備を任せました。 箱館は戊辰戦争最後の激戦地の舞台となり、明治を迎えることになります。

近代の北海道
 北海道の本格的な開発移住は明治維新以後になります。
 明治政府は北海道開拓のため開拓使を明治2年に設置し、組織的な北海道移民に取り組みました。
そこで目をつけたのが廃藩により家禄を失った旧士族階級でした。 幕末期より分領支配を行っていた東北諸藩会津藩(余市へ)・淡路の家老稲田家(静内へ)などの家臣が次々入植しました。
 明治10年代になると、士族授産の一つとして北海道開拓がさらに奨励され、旧尾張藩(八雲へ)旧長州藩(大江へ)旧加賀藩(前田へ)が開墾に取り組み、その他に旧有志士族による結社移民が行われました。
 明治20年代になると、北海道移民のブームが始まります。 その背景には地主制の発達により小作化した貧農が新天地を求めて移住希望者が増えたことがありました。 明治30年代は北陸地方からの移住者が最も多く、明治40年代以降になると東北地方から移住者が増えてます。これらに次いで四国からの移住者も多くいました。

 明治15年から昭和10年までの北海道移住者の出身府県ベスト10は以下の通りです。
 第1位 青森県
 第2位 秋田県
 第3位 新潟県
 第4位 宮城県
 第5位 富山県
 第6位 石川県
 第7位 岩手県
 第8位 山県県
 第9位 福島県
 第10位 福井県
 数字からも東北・北陸からの移住者が多いことが分かります。

 北海道の苗字ベスト20位は以下の通りです。
1佐藤 2高橋 3佐々木 4鈴木 5伊藤 6田中 7吉田 8渡辺 9中村 10小林
11加藤 12山本 13山田 14阿部 15斎藤 16工藤 17木村 18斉藤 19三浦 20菅原

必然的に移住者が多い東北地方と北陸地方に多い苗字が上位にランクしています。 つまり東日本を代表する高橋・佐藤・鈴木、西日本を代表する田中・吉田・中村・山本が上位で混在する形にあります。

北海道の寺院
 北海道の寺院をみてみましょう。
『全国寺院名鑑』(全日本仏教会寺院名鑑刊行会)によると、北海道の宗派別の割合は以下の通りです。
  北海道全体
天台宗 1%
真言宗 11%
曹洞宗 20%
臨済宗 1%
浄土宗 7%
浄土真宗 44%
日蓮宗 10%
その他 6%
 北海道全体を通して浄土真宗寺院の多さが際立ちます。宗派別では大谷派が勢力が強いようです。 また他地域でも多数派の真言宗・曹洞宗の寺院が続きます。
一方、天台宗や臨済宗は極端に少なく、近代以降の布教活動の差が顕著に表れています。
歴史が浅い北海道では古い墓石はほどんど見受けられてません。特に明治以降の開拓地では皆無といえます。

北海道の紳士録・人名録
 国立国会図書館のデジタルコレクションにある紳士録・人名録を一部紹介します。
『日本全国商工人名録[明治25年版]』日本全国商工人名録 明治25年(1892)  職種別と商号
 『大日本篤農家名鑑 [第1冊]明治43年5月』大日本篤農家名鑑編纂所 明治43年(1910)  村名
 『札幌商工人名録』札幌商業会議所 明治44年(1911)  職種別と所在地
『北海道商工人名録 小樽之部』苗村顕曜 編 明治44年(1911)  職種別と所在地
『十勝商工人名録』帯広興信所 編 明治44年(1911)  職種別と所在地
『旭川商工人名録』旭川実業協会 大正7年(1918)  職種別と所在地
『北海道紳士録』北海道紳士録発行所 明治32年(1899) 職業と所在地と略歴


※姓氏の出自や由緒には諸説あります。このサイトではすべてを網羅できておりません。 参考の一つにしてください。
 また出自や由緒、来歴についての質問は受けかねます。ご了承ください。


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