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軍歴証明とは
■軍歴証明書(兵籍簿)とは
軍歴証明書とは、戦争に従軍した軍人・軍属(軍人以外の軍隊所属者)・従軍文官が招集から除隊までの任免、配属、賞罰、傷病、
その他進級や昇給等の処遇について記録した文書のことをいいます。
主に満州事変以後の記録になります。
そもそも軍歴証明は恩給や保障を受ける際の証明などを目的として発行されたもので、本人または3親等以内の親族が請求することができます。
なかには3親等以上の親族からでも申請を受け付ける所もあります。これは例外的でほとんどが3親等以内の親族と規定されています。
3親等以内とは自分から見て曽祖父までになりますが、子供は4親等であるため曽祖父の軍歴証明書を請求できません。
軍歴証明書の管理機関は、以下のように所属によって異なります。
陸軍軍人・軍属・・・各都道府県の社会福祉担当部署
海軍軍人と陸軍軍属(高等文官・従軍文官)・・・厚生労働省
戸籍以上に確実に取得できなくなるのが軍歴証明書です。父祖の戦争体験の記録は平和を希求する我々の財産です。
取得不可になる前に申請されることをおすすめします。
■軍歴証明書で分かること
都道府県により交付される陸軍の場合、「軍歴証明書」や「履歴書」あるいは「兵籍簿」という形で交付されます。
どのような書類で交付されるかは都道府県により異なります。
「軍歴証明書」は過去の資料から読み起こし、ワープロ打ちにして交付されたものです。
記載内容としては、氏名・官職・叙位叙勲・召集時期・出航した港・配属・任官・進級・従軍記録・賞罰・傷病と治癒に関する記録・召集解除時期等ですが、当然すべて記載があるわけではありません。
資料の有無により数行の場合もあります。
例として以下のようなことが記されています。
昭和17年10月臨時招集により歩兵第○○連隊に応召 二等兵
昭和18年4月一等兵となる
同年8月歩兵第○○連隊に転属する
昭和19年3月○○の戦闘に参加し○○付近を警備する
同年5月上等兵となる
7月歩兵伍長となり、12月軍曹となる
昭和20年5月21日○○にて戦死する 歩兵曹長
その他、以下のように綬章の記録も記されています。
昭和14年3月まで○○隊にあって支那事変勤務に従事
昭和15年4月支那事変従軍記章を授与
「履歴書」は記載内容は少ない場合が多いようです。
「兵籍簿」の写しは、過去の資料をそのままコピーしたものが交付されます。
旧仮名遣いで書かれているので、解読には知識が必要です。
以下のようなことが記されています。
兵種…特技により分類された区分、歩兵科など
本籍族称…本籍、明治初期の身分名称
出身別…志願と徴兵
服役区分…現役・予備役・後備役など
位階…国が定めた個人の序列
勲等功級…勲功により授与される
官等級…官吏の等級のこと
■軍歴証明書の注意点
申請における注意点を以下に記します。
●申請者が3親等以内であること。それを証明する戸籍が必要。
より近い世代が存命の場合は受け付けない役所もあります。
(例)祖父の軍歴証明申請は父が存命の場合、父からの申請が必要となる
●代理申請が出来ないことがある。
この場合、委任状を使った申請ができず、本人による申請となります。
●終戦時の本籍地によって申請場所が異なる。
陸軍軍人の場合は「終戦当時に本籍があった都道府県」に申請します。
よって本籍地の確認が必要です。
●軍歴証明書が無いこともある。
終戦直前入隊など記録が作成されず終戦を迎えた場合や、火災による焼失、
戦後の混乱で紛失など軍歴証明書が残っていないこともあります。