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熊本藩家臣のご先祖調べ
天正15年(1587)九州征伐で功績をあげた佐々成政は肥後一国を与えられましたが国人蜂起の失政により改易、
これに替わって肥後北半国は加藤清正、南半国は小西行長に与えられます。
慶長5年(1600)「関ヶ原の戦い」で西軍に付いた小西行長が改易になると、行長の旧領も与えられ、熊本藩52万石が成立します。
しかし次の加藤忠広は寛永9年(1632)駿河大納言事件に連座したとされ改易となります。
加藤氏に代わって豊前国小倉藩より細川忠利が入部し、廃藩置県まで細川家が熊本藩主として存続します。
細川忠利は室町幕府の名門細川氏の一流で、父は初代小倉藩細川忠興、母は明智光秀の娘玉子(通称細川ガラシャ)です。
熊本藩では、八代城代松井氏・米田氏・有吉氏を世襲家老家として、三家は別格の扱いを受けました。
支藩として宇土藩(藩庁:宇土市)と肥後新田藩(のち高瀬藩 藩庁:玉名市)がありました。
幕末期になると、保守派の学校党と横井小楠ら進歩派の実学党が主導権争いを起こし、そこに宮部鼎蔵ら勤皇派の勤王党が加わり、藩論を統一できないまま幕末維新期を迎えることになります。
そのため維新を支えた西国雄藩の近くにありながら、大きな役割を果たせないまま、廃藩置県を迎えることになりました。
ここでは藩主細川氏について記します。
藩庁 | 熊本城(熊本市) | |
江戸屋敷 | 上屋敷(千代田区丸の内 丸の内オアゾ) 中屋敷(港区高輪 旧高松宮邸) 下屋敷(港区白金) |
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石高(表高) | 54万石 | |
江戸城控間 | 大広間 | |
藩校 | 時習館 宝暦5年設立 | |
格付け | 国主 | |
爵位 | 侯爵 |
■熊本藩の歴代藩主
細川氏 | 家紋:細川九曜 本姓:清和源氏 |
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墓所:臨済宗妙解寺 (熊本市横手) |
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代数 | 氏名 | 官位 | 在職 |
1 | 細川忠利 (ただとし) |
従四位下・越中守 左近衛少将 |
寛永9年(1632) ~ 寛永18年(1641) |
2 | 細川光尚 (みつなお) |
従四位下・侍従 肥後守 |
寛永18年(1641) ~ 慶安2年(1649) |
3 | 細川綱利 (つなとし) |
従四位下・越中守 左近衛少将 |
慶安2年(1649) ~ 正徳2年(1712) |
4 | 細川宣紀 (のぶのり) |
従四位下・侍従 越中守 |
正徳2年(1712) ~ 享保17年(1732) |
5 | 細川宗孝 (むねたか) |
従四位下・侍従 越中守 |
享保17年(1732) ~ 延享4年(1747) |
6 | 細川重賢 (しげたか) |
従四位下・侍従 越中守 |
延享4年(1747)~ 天明5年(1785) |
7 | 細川治年 (はるとし) |
従四位下・侍従 越中守 |
天明5年(1785) ~ 天明7年(1787) |
8 | 細川斉茲 (なりしげ) |
従四位下・越中守 左近衛権少将 |
天明7年(1787) ~ 文化7年(1810) |
9 | 細川斉樹 (なりたつ) |
従四位下・越中守 左近衛権少将 |
文化7年(1810) ~ 文政9年(1826) |
10 | 細川斉護 (なりもり) |
従四位上・越中守 左近衛権中将 |
文政9年(1826) ~ 万延元年(1860) |
11 | 細川韶邦 (よしくに) |
正四位上・越中守 左近衛権中将 |
万延元年(1860) ~ 明治3年(1870) |
12 | 細川護久 (もりひさ) |
従四位下・侍従 | 明治3年(1870) ~ 明治4年(1871) |
■熊本藩の家臣団
肥後入国以前の細川氏の家臣団をみてみます。
まず家祖細川藤孝の山城国勝龍寺城主時代から付き従った古参の家臣団があります。 これは「青龍寺以来」として区分されます。松井氏・米田氏・有吉氏の上卿三家がそれです。
以後、丹後や豊前への国替で加増されると、あらたに家臣を召し抱え、それらは「丹後以来」「豊前以来」として区分されました。 肥後入国には308人の家臣が従っています。
肥後国では古参家臣の二男・三男の新規召抱や、改易された加藤家旧臣の召抱えが中心となりますが、次第にこのパターンでの召抱えは減っていきます。
初代藩主細川忠利の代に多くの家臣を召抱えたらしく、寛永17年(1640)勘定方から藩財政逼迫の報告を受けて、忠利公は新規召抱を抑えるよう命じています。 2代藩主細川光尚の代では家臣団の整理削減を実行しています。
熊本藩では武士の身分は、一門と知行取家臣からなる「士席」と「軽輩」に大別されます。 知行取家臣は領地が与えられた上級武士です。さらに知行取家臣は、上卿・下卿・上大夫・中大夫・下大夫・上士・平士・下士に細分化されています。
家禄が切米・扶持米で支給される「軽輩」は上徒・中徒・下徒の3段階に分けられます。
家臣団の組織には軍事組織の番方と、政治組織の役方の二つがあります。 戦国の気風が残る江戸時代初期は、どの藩も軍事組織中心に家臣団が編成されています。しかし江戸時代中期になると政治官僚組織が中心になります。
熊本藩の番方は大きく3つに分けられます。 主力戦闘部隊の備(そなえ)組、藩主親衛部隊の側(そば)組、守備隊の留守居組です。備組は6組、側組は2組、留守居組は2組、合計10組で熊本藩の軍団は組織されます。
■熊本城下
熊本城下の整備は、加藤清正が熊本城の築城に併せて積極的に行われました。 城下を流れる「白川」と「坪井川」を付替え、「坪井川」に城の内堀としての機能を持たせ、物流を担う水路としました。 熊本城南側の坪井川と白川の間に「古町」、城西側に「新町」の町家を設けて、各地へ向かう街道の整備を行いました。
武家地は熊本城周辺に限られていましたが、細川忠利の移封後家臣団の増加により、武家地も拡大していきます。
武家屋敷は、城内の二の丸に家老級とそれに準じる大身の屋敷があり、城下の中央に上級武士、その外側に扶持米取りなど軽輩の屋敷が配置されました。 東側の白川沿いには足軽・小者屋敷が建てられ、「外坪井」と接せる部分には知行取・切米取屋敷が建てられました。
寺院は周辺部に、特に西南の横手一帯や北東の立田口・北の出町あたりに多く、これはいざ戦闘となった場合、各方面の敵に対して寺院の巨大な建物が要塞となるような配慮だと考えられます。
「外坪井」の西側には町家が建てられ、「古町」や「新町」と同じ町人町として成長します。その後も武家地は北側の「竹部」へ拡大しています。
⇒江戸時代の武家の一生(ライフサイクル)
■熊本藩の家臣
『有禄士族基本帳』(明治7年)より藩士家名
あ) | 有吉・有馬・有井・有田・有富・有住・有戸・有次・有安・有本・阿部・ 阿並・阿南・芥川・天野・天草・明石・足助・愛敬・愛甲・粟津・粟根・ 相澤・相部・相賀・相場・相田・秋吉・秋永・秋山・秋野・秋岡・赤星・ 赤嶺・赤尾・赤瀬・赤澤・赤木・荒木・荒川・荒尾・荒瀬・荒巻・荒身・ 荒田・荒井・安藤・安東・安達・安岐・安西・浅井・浅野・浅香・浅田・ 淺川・浅利・浅木・浅山・青木・青地・青山・芦田・芦村・朝山・朝倉・ 雨森・東瀬・新居・新井・麻生・綾部・粟坂・阿蘇 |
い) | 井上・井口・井田・井関・井場・井門・井澤・井島・井手・井原・井芹・ 井本・井山・井戸・井川・井寺・井村・井牟田・井・井藤・井崎・石井・ 石川・石橋・石原・石坂・石村・石崎・石尾・石寺・石浦・石光・石塚・ 石田・石島・石澤・石松・池田・池邊・池部・池松・池永・池上・池森・ 池見・池内・岩尾・岩村・岩永・岩崎・岩佐・岩間・岩部・岩下・岩田・ 岩瀬・岩越・岩本・岩男・岩橋・岩吉・岩松・岩原・岩井・岩成・岩城・ 入江・飯田・飯冨・飯岡・飯星・飯島・伊藤・伊佐・伊津野・伊勢・伊積・ 伊時・伊形・伊住・伊良子・伊木・糸川・糸永・出田・出良・出・磯田・磯部・ 磯谷・磯野・磯崎・生駒・生田・生地・生山・生・市野・市川・市本・市原・ 市村・稲津・稲田・稲垣・稲生・稲光・稲葉・今村・今井・今田・今池・今行・ 今坂・一丸・一村・一宮・一期崎・一安・一万田・一本・板垣・板井・板坂・ 板橋・犬童・猪俣・乾・印道・茨木・至津・五十里・今邑 |
う) | 氏家・氏原・魚住・上野・上田・上村・上羽・上原・上松・植野・植田・ 植村・牛嶋・牛原・内田・内海・内尾・内山・内村・内野・内古閑・内柴・ 宇野・宇田・宇津・宇都宮・宇佐川・宇田川・宇藤・浦・浦上・浦田・浦部・ 有働・臼杵・漆島・浮地・鵜殿・鵜川・浮田 |
え) | 江口・江藤・江島・江良・江上・江村・江崎・江見・江田・江添・家入・ 遠藤・衛藤・會田・恵良・恵賀・恵村・栄住・榎田・榎嶋・荏原 |
お) | 大塚・大野・大賀・大槻・大矢野・大里・大嶋・太田黒・大宮・大岩・大石・
大木・大河原・大森・大谷・大竹・大曽根・大場・大西・大久保・大村・
大山・大崎・大津山・大瀬・大藪・大畑・大濱・大田・大城・大園・大道・
大津・大堀・大洞・大浦・大庭竹・大屋部・大越・大林・大藤・大?・大矢・
大加田・太田・緒方・緒續・小山・小川・小野・小笠原・小原・小田・小田野・
小篠・小田原・小谷・小田部・小野澤・小栗・小阪・小畑・小倉・小池・小木・
小窪・小田島・小郷・小濱・岡本・岡松・岡田・岡村・岡・岡原・岡崎・岡部・
岡島・岡谷・岡川・岡安・岡山・尾田・尾上・尾坂・尾越・尾本・尾村・
尾崎・奥田・奥村・奥山・奥野・黄・鬼塚・鬼丸・織田・荻・荻野・荻原・
押方・落合・興津・沖津・折倉 |
か) | 柏原・柏尾・柏木・片山・片岡・片野・片峯・片貝・神谷・神鷹・神足・ 神崎・神戸・神山・神田・神吉・神代・神江・神邉・加来・加賀山・加々美・ 加村・加々見・加屋・加藤・加恵・加納・河喜多・河方・河内山・河嶋・河野・ 河崎・河添・河邉・河部・河田・河本・河津・河地・河波・河俣・河久保・ 河端・河瀬・河井・河西・河上・河原・上月・上林・上妻・上江・上保・上河・ 川口・川野・川村・川俣・川上・川添・川嶌・川越・川原・川下・兼松・兼子・ 兼丸・兼友・兼弘・香山・香下・香川・賀来・影野・笠間・蠏江・唐杉・亀山・ 亀井・亀住・亀田・亀尾・鏡・葛西・葛飾・交野・桂・勝田・樫村・ 堅田・春日・勝尾・勝目・柿田・柿原・柿山・蔭山・辛嶋・辛川・垣瀬・垣屋・ 垣塚・鎌田・蒲池・蒲島・蒲野・蒲原・狩野・菅・萱嶋・萱野・甲斐・甲野・ 甲田・甲賀・鹿子木・鹿島・可児・門岡・門池・門川・梶原・梶田・梶村・ 梶山・梶尾・金津・金光・金守・金森・金岡・金竹・金崎・金澤・金子・嘉悦・ 嘉川・加悦・合志 |
き) | 木村・木原・木野・木本・木本・木下・木山・木崎・木部・木戸・木附・ 木住野・北川・北野・北村・北島・北里・北原・北垣・北山・北坂・北・清田・ 清原・清成・清島・清永・清松・清藤・菊池・菊井・菊岡・岸井・岸原・岸・ 岐部・来海・衣笠・行徳・貴田・城戸・吉良 |
く) | 朽木・朽原・黒木・黒瀬・黒田・草刈・黒川・草野・艸埜・草壁・隈部・ 桑木・桑原・桑島・桑満・桑鶴・国武・国枝・国友・国崎・国津・倉重・倉園・ 倉岡・倉本・倉永・倉田・釘本・釘澤・釘崎・釘山・工藤・栗原・栗山・栗野・ 栗本・栗屋・栗林・熊部・熊野・串山・久木田・久米・久保田・窪田・久住・ 久重・久品・久芳・久多良木・蔵原・蔵田・日下野・日下部・楠原・郡司・ 櫛野・櫛島・九谷 |
こ) | 米田・小堀・小林・小森・小森田・小崎・小橋・小早川・小佐井・小糸・
小澤・小塚・小塩・小出・小渕・小濱・小池・小陳・小今井・小暮・小畠・
小寺・古賀・古閑・古原・古藤・古小路・古武城・古塚・古崎・古城・後藤・
近藤・児島・児塚・木庭・駒井・五野・五島・高・高口・郡・幸治・菰田・峡・
郷司・是常・金藤・木造・幸嶌 |
さ) | 坂崎・坂崎・坂本・坂田・坂梨・坂井・坂川・坂野・坂口・坂根・坂巻・ 坂部・坂内・坂尾・佐藤・佐川・佐分利・佐方・佐田・佐治・佐久間・佐村・ 佐野・佐々木・佐々・佐竹・佐山・佐々布・齋藤・齋田・齋土・齋所・財津・ 財満・澤村・澤田・澤・澤井・櫻井・櫻田・櫻山・櫻間・猿渡・猿木・相良・ 相馬・境・境野・三宮・三ケ・里見・里・里内・西条・西郷・笹原・笹川・ 颯波・山東・匂坂・崎村・崎田・雑賀・嵯峨・貞清・榊・真田・酒井・才木・指田 |
し) | 志水・志垣・志方・志賀・志位・志摩・志津利・島・島田・島崎・島村・ 島永・下津・下田・下林・下村・下岸・下河邊・白井・白石・白坂・白濱・ 白木・白瀬・白鳥・白川・白樫・白杉・柴田・柴山・柴崎・柴尾・篠原・篠熊・ 清水・城・城山・渋江・渋谷・椎葉・椎木・椎崎・塩山・塩津・塩澤・塩川・ 塩木・塩加井・塩田・條・生源寺・修理田・庄司・庄野・庄村・荘林・重岡・ 重永・重見・正海・正代・正垣・宍戸・真藤・真道・茂見・小代・神保・ 神西・柴垣・樹下・上保・品川・新谷・諸丸・喰田・汐月・芝山 |
す) | 鈴木・杉山・杉浦・杉・杉村・杉野・杉谷・杉本・杉原・杉林・杉田・末岡・ 末松・末藤・末吉・末永・須藤・須佐美・須崎・須賀・須子・須坂・首藤・ 住江・住吉・住谷・住田・菅村・菅野・菅・菅沼・菅谷・菅屋・諏訪・水津・ 墨川・栖本 |
せ) | 瀬川・瀬口・瀬上・瀬崎・瀬高・瀬戸口・瀬戸・瀬野・関・関口・関野・ 関根・千場・芹口・薛・世良・妹尾 |
そ) | 宗・則野・曽我・曽根・曽布川・園田・園 |
た) | 高見・高濱・高柳・高藤・高瀬・高本・高士・高原・高梨・高群・高崎・ 高村・高津・高松・高宮・高階・高塚・高嶋・高山・高屋・高森・高井・ 高月・高岡・高並・高田・高木・高橋・高野・田代・田崎・田上・田中・ 田邊・田部・田口・田坂・田黒・田尻・田嶋・田村・田道・田内・田屋・ 田久保・田原・田山・田畑・田川・田浦・田添・武田・武尾・武井・武居・ 武野・竹間・竹村・竹原・竹添・竹田・竹下・竹永・竹内・竹崎・竹井・武本・ 竹岡・谷・谷瀬・谷川・谷冨・谷山・谷村・谷田・谷口・丹後・只野・橘・ 立川・立石・立山・立嶋・立井・立原・立瀬・楯岡・楯石・玉置・玉崎・玉名・ 建山・建部・建原・多々良・多久・多羅尾・多田・垂水・種田・樽井・鯛瀬・ 瀧井・瀧本・滝口 |
ち) | 千田・千葉・千原・千々岩・千賀崎・千代村・陳・竹間・知本・丁・近野・ 近見・近澤・筑紫・長曽我部 |
つ) | 續・津川・津田・津江・津野田・津野・津下・津嶋・津村・津崎・津々良・ 津幡・津留・都築・對田・柘植・積・妻木・筒井・角田・辻・辻橋・椿・月方・ 月田・堤・土山・築山・築森・築田・塚原・塚本・土屋・土持・鶴野・鶴山・鶴田 |