お問い合わせをお待ちしております
TEL. 075-922-3041
営業時間 AM10:00 ~ PM21:00
鹿児島藩(薩摩藩)家臣のご先祖調べ
薩摩国・大隅国の2か国(現在の鹿児島県全域)および日向国諸県郡(現在の宮崎県南西部)を領有し、
琉球王国(現在の沖縄県)を支配下に置きました。
藩主島津氏は、鎌倉時代初期に初代島津忠久が薩摩・大隅・日向国の守護職に任ぜられて以来、
南九州の守護大名・戦国大名として発展し、全盛期には九州をほぼ制圧するほどになります。
「関ヶ原の戦い」で西軍に付きましたが、井伊直政の取りなしで本領を安堵され、島津義弘の三男島津家久が藩主と認められました。
ここに鹿児島藩が始まります。
版籍奉還後に定められた正式名称は鹿児島藩、薩摩藩は通称です。
藩庁 | 鹿児島城 (別名:鶴丸城) | |
江戸屋敷 | 上屋敷(千代田区内幸町) 中屋敷(港区芝) | |
石高(表高) | 77石 (実際の玄米高は約半分) | |
江戸城控間 | 大広間 | |
藩校 | 造士館 安永2年設立 | |
格付け | 国主 | |
爵位 | 公爵 |
■鹿児島藩の歴代藩主
島津氏 | 家紋:丸に十の字 本姓:惟宗氏 |
||
菩提寺:曹洞宗福昌寺 (鹿児島市) |
|||
代数 | 氏名 | 官位 | 在職 |
1 | 島津家久 (いえひさ) |
従三位・薩摩守 中納言 |
慶長6年(1601) ~ 寛永15年(1638) |
2 | 島津光久 (みつひさ) |
従四位上・薩摩守 左近衛中将 |
慶長15年(1638) ~ 貞享4年(1687) |
3 | 島津綱貴 (つなたか) |
従四位上・薩摩守 左近衛中将 |
貞享4年(1687) ~ 宝永元年(1704) |
4 | 島津吉貴 (よしたか) |
正四位下・薩摩守 左近衛中将 |
宝永元年(1704) ~ 享保6年(1721) |
5 | 島津継豊 (つぐとよ) |
従四位上・大隅守 左近衛中将 |
享保6年(1721) ~ 延享3年(1746) |
6 | 島津宗信 (むねのぶ) |
従四位上・薩摩守 左近衛中将 |
延享3年(1746) ~ 寛延2年(1749) |
7 | 島津重年 (しげとし) |
従四位下・薩摩守 左近衛少将 |
寛延2年(1749) ~ 宝暦5年(1755) |
8 | 島津重豪 (しげひで) |
従四位上・薩摩守 左近衛中将 |
宝暦5年(1755) ~ 天明7年(1787) |
9 | 島津斉宣 (なりのぶ) |
正四位上・薩摩守 左近衛中将 |
天明7年(1787) ~ 文化6年(1809) |
10 | 島津斉興 (なりおき) |
正四位上・薩摩守 参議 |
文化6年(1809) ~ 嘉永4年(1851) |
11 | 島津斉彬 (なりあきら) |
従四位上・薩摩守 左近衛中将 |
嘉永4年(1851) ~ 安政5年(1851) |
12 | 島津茂久 (もちひさ) |
従一位・大隅守 参議 |
安政5年(1851) ~ 明治4年(1871) |
■鹿児島藩の支配体制と家臣団
幕末期の薩摩藩士の家格と、その家数は以下の通りです。
一門家(4家)…島津本家の二男家または准二男家
加治木家・垂水家・重富家・今和泉家
一所持(21家)…島津本家の三男以下の創立家、
もしくは格別由緒家
一郷を持つ領主、日置・花岡・宮之城・都城など
一所持格(41家)…数村を持つ領主
寄合(54家)…組頭や番頭に任じられる家格
一所持や一所持格の二男・三男が創立した家、
平士のなかで大番頭や大目付を勤める家など
寄合並(10家)… 同上
以上が上級武士である大身分の上士です。
小番(760家)…騎馬侍である馬廻り
新番(24)…100石以上のもの
小姓与(3094家)…他藩でいう徒士、
新番以上の城下士を除いた諸士
鹿児島士や城下士と呼ばれた。
以上が平士です。
その下に、各役所(座)に付属された武士である与力、在郷居住の武士である郷士があり、ここまでが士分でした。 さらにその下に准士分の足軽がいました。
ちなみに明治維新の立役者西郷家・大久保家の家格は御小姓与です。
薩摩藩の場合、約80%が郷士で、約20%が鹿児島城下に居住していました。在郷に住む郷士と城下士では待遇に大きな差があり、持高も城下士が優遇され、郷士は下に見られていました。
<外城制度>
薩摩藩は近世以前の支配体制を継承した外城制を敷き、領内の農山漁村や町場の統治を行いました。
外城制では、地頭仮屋を中心に半農半士の武士(郷士)が集団居住(麓集落)し、さらに農村にも居住して普段は農民と同じく農作業を行います。 外城行政の長は鹿児島城下の居住する地頭ですが、実質的は上級郷士(郷士年寄・組頭・横目の麓三役)が担いました。
麓三役の下には、普請見廻・郡見廻・山方見廻・はぜ方見廻・書役・郷士触役・高調役・部当・野廻・牧司・主取・庄屋などがあり、すべて郷士の役職でした。
郷士のなかにも以下の家格差がありました。
高持士…禄高を持つ郷士
一ケ持士…屋敷だけを持つ郷士
無屋敷士…屋敷なしの無高郷士
外城は、薩摩国に49ヶ所、大隅国に41ヶ所、日向国に21ヶ所あり、領内に多くの武士が分散居住していたことが分かります。 全国平均の武士人口比が約5%とされるなか、薩摩藩の武士は人口比26%(明治4年調査)といいますから武士の多さが際立ちます。
⇒江戸時代の武家の一生(ライフサイクル)
■鹿児島城下
武家屋敷は鶴丸城近くにあり、それに連なって町屋敷・近在がありました。
屋敷地は「町が3分、武家が7分」といわれ、倍以上の面積を武家屋敷地が占めていました。人口は、武士が町人の3倍以上、家来や与力・足軽を含めると8倍以上に達したといいます。
武家屋敷は、鶴丸城本丸(写真右)の前から東を上方限(かみほうぎり)、二之丸前から西を下方限(しもほうぎり)といいます。現在の鹿児島市役所辺りが境目です。 町屋敷は大きく3つに区分されます。鶴丸城の北東方海岸寄りを上町、南方海岸寄りを下町、甲突川西側を西田町といいました。そして周辺に続く農村部を近在といいます。 武家屋敷と町屋敷は堤防をつくるなど区分され、町の入り口には「町門」がつくられたといいます。
上級武士である上士は鶴丸城近くに居住し、下級武士になるに従い城から遠くに居住します。よって現在の鹿児島市庁舎別館には一門家のひとつ加治木家、その近くには宮之城島津家・入来院家・喜入肝付家・吉利小松家などの上士武家屋敷が集まっていました。 千石馬場(現・西千石町)には千石取りの上級武士の屋敷地であったことに由来します。上士の屋敷移動はほとんどなかったようです。 平士の屋敷地は甲突川東岸の下方限に最も多く集中し、加治屋町付近からは幕末維新期に活躍する人物が現れます。
鹿児島城下の開発は地形上、南や西に広がっていきます。それまで農地であった場所が屋敷地となっていきます。 多くの下級武士は、これら荒田・武・西田などの近在に居住することになります。 文政年間(1818~30)の武家屋敷分布状況をみると、上方限に約31%、下方限に約47%、周辺部に約22%となります。
■鹿児島藩の家臣
『薩州島津家分限帳』(高野 和人/編纂)より藩士家名
あ) | 愛甲・芦谷・赤松・赤塚・赤崎・赤井・有川・有馬・有田・有村・有川・安藤 |
い) | 伊集院・伊勢・伊地知・伊東・伊藤・伊木・岩下・岩元・岩本・岩崎・岩山・ 岩城・市来・市田・石黒・石川・石原・池田・池山・今井・今藤・入来院・ 入江・入佐・稲田・稲津・藺弁田・家村・稲富・碇山・猪股・飯隈山 |
う) | 宇宿・梅田・梅北・鵜木・臼井・内山・内田・上原・上村・上田・植村 |
え) | 頴娃・頴川・海老原・榎元・江田 |
お) | 大野・大田・大迫・大山・大窪・大脇・大河平・大重・大原・大嶋・大場・
大橋・小倉・小笠原・小田・折田・鬼塚・面高・押川・岡本・尾上 |
か) | 鎌田・樺山・桂・川田・川上・川口・川北・川辺・川野・川村・河野・ 海江田・蒲生・加治木・鹿嶋・加納・加藤・片野坂・亀山・掛橋・汾陽・勝部・柏 |
き) | 肝付・喜入・基太村・木脇・木藤・岸・岸良・貴嶋・菊地・霧島 |
く) | 久保・桑山・隈元・黒岩・黒田・倉山 |
こ) | 木場・小林・小嶋・小森・小松・小久保・郡山・古後・児玉・國分・近藤・
江夏・郷原・郷田・五代 |
さ) | 相良・讃良・迫水・迫田・佐久間・佐多・左近充・税所・崎元・坂口・坂本・ 坂元・斎藤 |
し) | 嶋津・渋谷・渋江・篠崎・志和地・下河辺・清水・志岐・重久・白石・椎原・柴・柴田 |
す) | 諏訪・須磨・鈴木 |
せ) | 関山・瀬川・千田 |
そ) | 園田・曽山 |
た) | 種子島・種子嶋・高橋・高崎・高城・高田・財部・田向・田村・田原・田中・ 田尻・田畑・田宮・谷山・谷村・谷川・竹原・竹下・竹内・宅間・中馬・武 |
ち) | 中馬・知識 |
つ) | 津留・堤・図師崎 |
て) | 寺山・寺尾・弟子丸 |
と) | 土岐・土持・友野・東郷・時任・富田・得能・徳田・徳永・鳥丸・道嶋 |
な) | 名越・中村・中江・中野・中神・中山・中西・中原・長沼・長野・長山・ 長崎・永沼・南雲・永江・永井・永田・永山・奈良原 |
に) | 新納・二階堂・西・西田・仁禮・入田 |
の) | 野村・野沢・野本・野崎 |
は) | 畠山・長谷場・半田・林・早川・橋口・萩原・原田・土師・伴 |
ひ) | 菱刈・比志嶋・平田・平城・平山・平崎・平瀬・肥後・久留・日高・肱岡 |
ふ) | 福山・藤野・福嶋・福崎・淵邊・藤井・藤田・藤山・古川 |
へ) | 日置 |
ほ) | 北郷・本田・本城・本郷・本庄・堀・北条・細瀧 |
ま) | 町田・松崎・松井・松本・前田・前谷・益満・益田・牧野・丸目・丸野・丸田 |
み) | 宮之原・宮里・宮内・三原・三雲・美代・満尾・峯崎・水間 |
む) | 村田・村野・村尾・村上・向井 |
め) | 米良 |
も) | 森・森川・森山・毛利・餅原 |
や) | 山田・山沢・山岡・山元・山下・山内・山本・山之内・山口・山路・薬丸・ 矢野・矢木・八木・柳元・簗瀬 |
ゆ) | 弓削 |
よ) | 義岡・吉利・吉田・吉井・吉川・横山・四元 |
わ) | 鷲津・脇田 |